1本で最大6種類の精油を試香できるムエットタワー

コロナ禍のなか、感染症予防対策のために活用しているのが精油を試香するためのムエットタワーです。ムエットタワーが生まれた経緯や作り方、使い方をご紹介します。

フレグランス創作に欠かせないムエット

アロマコラージュ療法®では、複数の精油(コースにより数種類から30種類以上)を試香し、好きな精油でフレグランスを創作します。試香の際、使用するのが細長い紙製のムエット(試香紙)です。1本のムエットに1種類の精油をつけますので、たとえば10種類の精油を試香にはムエットが10本必要です。

 

コロナ前は、グループセッションではテーブルを島型に並べ、向かい合わせに着席していただき、各テーブルに試香用のムエットを1セット置いていました。参加者は思い思いにムエットを手に取り、試香が終わるとテーブルに戻すという方法で、ムエットをグループで共有し試香していました。

コロナ禍のなか訪問介護ステーションでストレスケアの研修講師を務めることに

昨年2020年7月、栃木県宇都宮市の訪問介護ステーションより、ストレスケアを目的とする職場研修の講師を依頼されました。参加者は20名の訪問介護スタッフさんたち。介護士さんのストレスを和らげたいというリクエストでした。

 

もともとはコロナ前に依頼され、4月に実施することになっていたのですが、緊急事態宣言が発令され、延期になっていました。ストレスフルな状況が続いていることから、夏になり感染状況が落ち着いたタイミングで開催に踏み切りました。

 

家庭を訪問し高齢者のケアを行うお仕事ですので、万が一でもクラスターを発生させてしまったら大変なことになります。60分で終了、マスク着用、換気、アルコール消毒、対面ではなく一方向で着席、コラージュの素材や文房具はご持参いただくなどなど、感染対策を徹底して行うことになりました。

 

そんななか最も困ったのが試香でした。コロナ前のように、グループでムエットを共有する方法は避けたいところでした。

 

しかしこのとき使用した精油は12種類。参加者20名ですので、1人1セット準備するとムエットを240本、用意しなければなりません。講師ひとりで240本のムエットに精油をつける作業はとても無理です。

1本で最大6種類の精油を試香できる ”ムエットタワー”

どうしたら複数の参加者でムエットを共有せずにすむか、各参加者に試香用のムエットを1セットずつ配布できるか考えていたときに思いついたのが "ムエットタワー" でした。

 

ムエットタワーでは、1本で最大6種類、2本で12種類の精油を試香できます。歯ブラシ立てなどに立てられますので、場所も取りません。

 

参加者は、他の方と共有することなく、自分専用のムエットを使ってゆっくり試香できます。

 

セラピストにとっても、1本で6本分のムエットを準備できるので、精油をつける作業も、配布するのも手早く行えます。


ムエットタワーの作り方

●準備するもの

厚紙、ムエット、はさみ、ノリ、

筆記用具(または数字のスタンプ)

 

●手順

①厚紙を細長くカットします(20cm✕1cmぐらい)。厚紙が長すぎると立てられず、短いとムエットを貼り付ける間隔が短くなり試香しにくいです。

 

②ムエットを半分にカットします。

 

③厚紙に上記②のムエットをノリで貼り付けます。テープ式ノリだとしっかり付きます。

 

④ムエットに番号、精油名などを記入します。

 

●使い方

ムエットの先に精油をつけます。歯ブラシ立てを使うとスマートに置けます。歯ブラシ立ては100円ショップなどで購入できます。


ムエットタワーは、手早く作業しなければならないグループセッションやイベントでより効力を発揮します。参加者にとっても、セラピストにとっても便利なスグレモノ。感染症予防対策のために苦肉の策で考えついたアイデアでしたが、コロナ後も大いに活躍しそうです。