触覚をとおした自己・他者理解


拙著 『感覚療法への招待』 のなかで紹介した<触知生活マップ>を

大学院の授業で模擬体験しました。

<触知生活マップ>とは、自分の生活を、言葉ではなく触覚からイメージする手法。

福岡大学医学部の先生が開発されました。

洗濯バサミ、スプーン、ボタンなど生活のなかでよく使用しているモノに触れ、

そこから連想される行動を思い浮かべます。

 

洗濯バサミ →洗濯

スプーン →食事

ペットボトルのフタ →飲む

靴ひも→外出

MDディスク→音楽を聴く

ボタン→服を着る  といった具合です。

そしてその行動(モノ)を、ボード(A3用紙で代用)の上に並べ、

二次元上にマッピングしていきます。

 

・横軸・・・どれぐらいの頻度行っているか(右にいくほどよく行っている)

・縦軸・・・どれぐらい楽しんでいるか(上にいくほど楽しんでいる)

 

体験者はアイマスク(ふつうのマスクで代用)をかけスタンバイ。実習担当の学生より実施方法の説明を受けました。
体験者はアイマスク(ふつうのマスクで代用)をかけスタンバイ。実習担当の学生より実施方法の説明を受けました。
<触知生活マップ>制作中。
<触知生活マップ>制作中。
台紙を触って、横が頻度、縦が楽しさの程度であることを確認。本当の<触知生活マップ>では、磁石付のボードを使います。
台紙を触って、横が頻度、縦が楽しさの程度であることを確認。本当の<触知生活マップ>では、磁石付のボードを使います。
実施者から手渡されるモノを手探りで台紙の上に並べていきます。
実施者から手渡されるモノを手探りで台紙の上に並べていきます。

並べ終わったらアイマスクしたままシェアリングに突入。

自分のマップを触りながら、自分の生活を声に出して説明します。

 

シェアリングはさらに続きます。

実施者がマップを移動させます。

他者のマップを触りながら、他者の生活を声に出して説明するのです。

1回目はどんな生活か説明。

 

「この人は音楽が好きで楽しんでいます」

「この人は勉強はあまりやっていないし、楽しんでいません」

笑いが起こります。

2回目は、別の人のマップを触りながらどんな人かイメージしてみました。

 

「この人は家事をよくやっているので主婦だと思います」

「この人はいろんなことを楽しんでいる人ですね」

「この人は好きなことと嫌いなことがはっきりしています」

「この人は好きなことがあるけどできていないので忙しいのかなと思います」

 

 

シェアリング後、アイマスクをはずして自分のマップを確認。

アイマスクを外したときの新鮮さ。

手で触っていたときとは、全然違った印象を受けます。

 

体験した学生の感想です。

●家事はふだん自動的に行っているんですが、意外にも楽しめていることがわかりました。

●人のを触らせてもらって、人の生活を覗いているような気持ちになりました。

●人が自分のマップを触っているとき、自分の生活を覗かれているようで恥ずかしくなりました。

●わたしも他の人みたいに、右上になる(よく行って楽しめる)ようになったらいいなと思いました。

●ふだん、一つひとつの行動についてどれぐらい行っているかとか、どれぐらい楽しめているかなんて考えたことがなかったので、自分の生活を知ることができて面白かったです。

●全般的に楽しめているということがわかりました。

●好きなことはやるけど、嫌いなことはやらないことがわかりました。

 

実習を担当した学生の感想です。

●同期の人たちと食事に行ったりお喋りしたり、もっと親しくなりたいと思いつつ、みんな忙しいこともあり、知り合う機会がありませんでした。この実習をとおして同期のみんなの生活を知ることができて嬉しかったです。

 

体験者の

<触知生活マップ>です。

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